宮川バネ工業(株) 「見える化」・「ハリー・ポスター」                       
「エコでフリーな掲示板」へ | 2008.02.15 |
発表の資料(2)「見える化」で変わったわが社〜実感したその効果〜
社名 宮川バネ工業株式会社
(協同組合コーディネイトびわ)
 報告者 代表取締役 宮川 卓也    
 
弊社(宮川バネ工業)の紹介
弊社は1953年創業の精密バネメーカーであり、所在地は滋賀県東近江市(名神高速八日市IC付近)。社員数約50名で、年間8億円規模。自動車・家電・カメラ・プリンター等様々な分野で使用される小物精密バネを製造している。詳細は http://www.m-b-k.co.jp をご覧いただければ幸いである。
 
弊社が「見える化」に取り組んだ経緯
従来から、一部「目で見る管理」「見える化」といったことには取り組んでいたが、大変不十分なものであった。つまり
 
@ 理解が不十分だったこと―とにかく掲示したらよいと考えていた。
A 適切な掲示具が無いので、在り合わせのもの、不十分なものを使っていたので、破損、使い勝手も悪さなどにより使用されなくなっていた。
B 「見える化」で現場や企業が強くなることを本心で理解していなかった。
などが指摘される。
 
例えば「生産管理ボード」(差し立て板)を作って在ったには在ったが、バネ式クリップを使用していたため、暫くするとクリップが壊れてしまい、その交換・メンテナンスが難しい構造になっていたため、使用されなくなり「縦型ゴミ貼り付け板」と化してしまっていた。工程表示を、天井からチェーンなどでつるすようにしていたが、頻繁に起こるレイアウト変更についてゆけず、いつの間にかなくなっていた。掲示そのものは壁などに画鋲やマグネット、テープなどで比較的に簡単に出来るので、必要に応じて「とりあえず」掲示が野放しになっており、壁面全体が誰も見ない、改善の機会にならない、同じ  く「縦型ゴミ箱」と化している状況であった。
 
ユニバーサルデザインとの出会い
2005年度滋賀県工技センター主催の、ユニバーサルデザイン研究会のテーマの一つに、この掲示具が取り上げられた。これは県、大学教授、デザイン会社、そして我々が参画して、掲示具をユニバーサルデザインの観点から再度見直して行くというステップで行われた。そこで、何のために、何故、何を掲示するのかという根本的な問いかけが行われ、社内での掲示状態の再点検、あるべき掲示具のあり方などが論議され、その後の「見える化」への展開のきっかけの一つとなった。
  
『見える化』との出会い
この頃『見える化』(遠藤功著)を読む機会があり、この本の指摘内容に基づき工場改善に関して様々な議論・意見交換が行われた。実際に様々な「見える化」の実践がされていること、そしてその経験が交流できたこと、しかしこの本を勉強することで、理論的に整理し「見える化」の深い内容を理解できたことなど多くの学びを得ることが出来た。それ以降、『見える化』を学習しながら、工場の現状を点検し、「見える化」を進め、工場改善を進めていくことが確認された。
 
「現場」の問題点を見直す
「見える化」の観点から自社の工場の掲示状態を見ていくと様々な問題点のあることが分かった。
・社内の色々な掲示は、期限の切れたもの、殆んど誰も読まないもの、重要度・緊急度の高いものも、全て同じように掲示され、メンテナンスも充分行われていないことが多く、社員の着目度も低い=「情報伝達」の機能を充分発揮していない。
・現場の整理整頓、安全、コストダウンが掛け声だけで進まない。すぐ元に戻る。
・現場と事務所、製造と品管、製造と技術などの関係で、情報伝達や意思疎通が充分行われておらず、様々な問題が発生している。
これらの問題を解決する、有効な考え方、手法が「見える化」であり、部分的には取り組んでいるものの、理論的に継続性を持って取り組むことの必要性を痛感できた。
 
マトリクス・ハンガーの開発―@
我々では先ず、次のような問題を検討した。「掲示板には旧い掲示、誰も見ない掲示がいつまでもそのままになっている」⇒何故そうなっているのか?「そもそも掲示期限を決めて、古いものは取り外す決まりがない」⇒何故決まりが無いのか?「以前はあったが、担当者が居なくなったり多忙のためにうやむやになった」⇒何故、うやむやなまま放置されているのか?「トップがその必要を感じていない」。つまり、社内の掲示状況は経営者(リーダー)の問題意識の鏡だったのだ。工場の整理整頓は熱心に行う経営者でも、意外に壁面や掲示の整理整頓は見逃している。しかし『見える化』の学習の中で、適切な情報の掲示こそが工場の改善の重要なトリガーであり、契機であることが分かり、何とか「掲示板」を生き返らせる事に取り組んだ。しかし、中小企業の場合、人員も充分ではないので、再度担当を決め直し、ルールを決めるだけでは同じ失敗の繰り返しになってしまうことが予想された。そこで「誰でも簡単に掲示を取り外せたり、掲示できれば、掲示物に掲示期限さえ入っていれば特に担当者を決めなくてもメンテナンスできるのではないか?」と言う意見の元、検討を開始した。色々調べてみると「旧い掲示を外そうとしても、画鋲が錆び付いていてなかなか外せない。新しい掲示物を掲示しようとしても画鋲やマグネットが不足していて掲示できない」というハードウエアの問題が大きいことが分かった。そこで「画鋲やマグネットを一切使用しない掲示具、誰でも何も使わずに簡単に脱着出来る掲示具の開発」というテーマが浮かび上がった。
 
マトリクス・ハンガーの開発―A
このテーマ解決の為に、滋賀県工業技術センターと協力して「マトリクス・ハンガー」と呼ばれる掲示具を開発した。これはアルミパネル上に適切な硬さのスポンジを遊動する構造の樹脂製のセルで保持した構造になっている。これにより「画鋲やマグネット無しで簡単に掲示物を脱着出来る」掲示具が完成した。これを使用してみると期限切れや不要な掲示物は一切なくなり、社員の注目度も高まった。例えばある地方新聞の記事を入手したい場合、また通常あまり使用しないSONY製のビデオカセットアダプタが必要な場合など、その旨掲示すれば翌日には何人かの社員が申し出てくれるなど従来にないレスポンシビリティが見られるようになった。
 

 
古い掲示物が無く、全て新鮮な掲示物であること、単なる上位下達では無く社員にとって有益な情報であることをポイントにこの「マトリクス掲示板」を活用していくことで社内には劇的な変化が起こっている。
 
@ 弊社では「CR20K」と称する全社コストダウン活動を行っている。全員を5〜10人のチームに分け、全チームで一人当たり2万円以上のコストダウンをするというものである。つまり50人×20000円=100万円/月のコストダウンを全員で行おうと言うものである。過去3年、計5回実施しているが全て目標を達成し、計1000万円以上のCR効果を挙げている。このような大きな成果が出た原因は1)各チームの達成状況、具体的にどのような改善を実施したかをほぼ、毎日のように掲示し、社員全員がそれを見ることにより、ヒントを得たり、ムードが盛り上がったこと2)「他部署応援」などをCR効果に換算するなどパート従業員も、参加できる内容を取り入れたこと3)前月を準備月とし、何をするか?は前月中に各チームで打ち合わせしたことなどが挙げられると考えられる。このCR20Kは、単月の取り組みではあるが、かなり習慣化・体質化してきており、平月においても合理化・改善の動きは継続している。またそのような成果は都度、マトリクス掲示板に掲示し、全体に周知することで、全社への波及も図ることが出来る。
A 社内コミュニケーションが飛躍的に向上している。
例えば「ありがとうカード」と言うシステムにより、社員の隠れた良い行いを「見える化」し、感謝の連鎖を創り上げている。これは社員全員が、長方形の「ありがとうカード」と言うものを持っており、例えば、誰かに親切にしてもらった時、無理を聞いてもらえた時、自主的に花壇に花を植えているのを見かけた時などに記入して、投書箱に入れる。それを即座に掲示することによって社内全体に「見える化」し、善行を共有しようと言うものである。当初は「小学校みたい」という声もあったが「感謝を形にする」と言うシステムは非常に有用であり、社内の人間関係の改善に効果が出ていると感じている。
B マトリクスハンガーには、箱状のもの、袋状のものも吊り下げられるので、通信教育始め、マトリクスハンガーには、箱状のもの、袋状のものも吊り下げられるので、通信教育始め、様々な自己啓発資料などを入れておくことが出来る。このように冊子タイプのものも掲示できることにより、社員の自己啓発が促進されている。
 
「見える化」のための技術的ポイント
掲示板への全員の着目度を高めるためのポイントは他にもいくつかある。
@ 小さい字は、誰も読まない。最低でも22ポイント以上のフォントを使用する。
A 文章は300字以内とする。長すぎると読まない。
B 情報の鮮度が重要。昨日の新聞は読んでも、おとといの新聞は読まない。
C 色を多用しすぎない。黒一色が基本。強調したい部分だけ色をつける。
D 掲示物の高さは、上限1800mm、下限800mm程度。
E 左右は、一定の位置から読めるのは1200mm程度。
F 表現には注意。「最近冷蔵庫の中のものがなくなることが良く在ります。
何か気付いたら事務所まで連絡を」という掲示は穏やかではない。不特定の人に疑いがあることになる。「最近、冷蔵庫の中のものを間違えて持ち出される方が居られるようです。今一度確かめてみてください」のような文面にする。

様々な展開
弊社では、このような「見える化」視点から、他にも多くの「見える化」改善を展開している。
@ 現場の2Sを推進するための不明品置き場(TP24)を事務所に設置して効果を挙げる。現場の「不明物」は作業者がこのバッファに置く権利を持っている。
A 指示カードがワンタッチ脱着可能で、業務と現場が生産の進捗管理をしやすい「生産管理ボード」を活用して納期遅れ解消、事務所と現場のコミュニケーションの改善を実現。
B 経営者の見えるところに、納期遅延警告掲示板「宝の山」を設置し、生産上の問題を担当者が一人で抱え込むのではなく、問題を「見える化」してチームで取り組む社風を確立。AとBにより、客先クレームとなる納期遅れは一掃された。
C 経営数字を、月次にわかりやすく再編集した「コックピット経営シート」を全員に定期的に告知・説明することにより、経営上の課題を全員で共有。
など多くの試行を続けている。これにより直近3期においては売り上げ20l増、経常利益2.5倍の効果を揚げている。これは外部環境の改善と共に、それを増員無くこなしていく社員全員のチームワーク・能力の向上の成果であると確信している。
 
また、これらの掲示システムは外販・レンタルも開始している。問い合わせなどは0749−46−0193(宮川バネ工業)までいただければ幸いである。                                                                         
以上     
宮川バネ工業株式会社     
■発表の資料(中小企業における「見える化」改善の取り組み) < 1〜4の全ページpdf:中小企業における「見える化」改善の取り組み資料のpdf >
< 工場の「見える化」改善のための掲示システム「ハリー・ポスター」シリーズ >

「見えないムダは省けない、見えない危険は防げない」
世界最強といわれる「トヨタ生産システム」。その中心的な手法の一つが「見える化」です。工場運営の様々な面で、異常や問題は日常的に発生しています。大切なことは、そのような異常や問題が隠されたりせずに「見える」ようになっているかどうかです。それらの問題が見えていない、あるいは隠されている工場は激しい競争に勝ち残っていけないと言えます。「見える化」することによって工場現場における「自立的問題解決能力」が磨かれていくのです。そのための第一歩は、問題に気付くことであり、それが「見える化」という考え方の基本です。「見える化」とはまさに問題を見えるようにすることです。そして作業担当者が単に決められた仕事をこなすだけではなく、問題や異常を発見し、告知すること、そしてその解決にはチームで取り組むことが求められます。(遠藤功 早稲田大学教授著「見える化」より)
 
工場内の掲示は、壁と言う名の「クズカゴ」状態?
このような「見える化」を推進するためには、工場内における情報掲示システムを大きく変革する必要があります。残念ながら、殆どの工場の掲示物は誰も見ない、見る必要もない「くずかご」状態になってしまっているのではないでしょうか?
・ 誰が、何のために、どのような文書を、何時掲示し、誰がそれを確認し、どのよ
 うな使い方をし、どのように処理するのか?というシステムが作られていない。
・ 掲示物の示している情報が直感的に分からない、読み込まないと分からない
 ので工場現場では殆ど情報が伝わらない。
・ 古い期限切れ情報や文書が、いつまでも掲示されていて、何が必要な情報か
 分からない。
・ そもそも、工場の製造力強化のために、掲示情報が重要であることが認識され
 ていない。
・ 掲示物が必要なところに、適当な掲示具がない。
・ 必要に応じて掲示したり、はがしたりしようとしても画鋲がさび付いていたり、マ
 グネットが不足していたりして出来ない。などなど……
 
工場内の「見える化」を推進する掲示システム=「ハリー・ポスター」シリーズ
「ハリー・ポスター」シリーズは、誰でもが簡単に掲示でき、はがすことが出来る掲示具であり、ピクトグラムの活用やユニバーサルデザインの採用により、年齢・国籍を問わず工場内の掲示が「見える化」という本来の仕事を果たすことを促進するツールです。さらに、ご希望によりそれぞれの工場内での情報の流れを整理し、あるべき姿と、そのために最適な掲示具のシステム化をご提案いたします。また、コンピュータやディスプレイを多用するシステムとは違い、従来から使用しているの紙媒体をほぼそのまま使用できますので極めて安価に、また簡単に導入できます。貴方の工場の製造力をさらに強化するための掲示システム―「ハリーポスター」シリーズを是非ご活用ください。
 
「ハリーポスター」シリーズが提案する、工場の「見える化」の一部
・ それぞれの設備で、今(日)生産する物と数量、材料情報などが分かる⇒監督
 者にリアルタイムな生産状態が「見える」
・ 工場内にある「物」が何で、誰が管理していて、保留品などであれば何時まで 
 に処理するのかが「見える」
・ 生産中の製品の、製造標準、工程品質の状況が「見える」
・ 各設備の、メンテナンス基準や、実施状況、問題点が「見える」
・ 頻繁に張り替える必要のある掲示も、楽々交換できるので、今が「見える」
・ ISO等で要求される、帳票類の適切な掲示も簡単。品質や環境の取り組みが
 「見える」
・ 新入社員にも、それぞれの作業のマニュアルが正しく掲示できるので、仕事が
 「見える」などなど、様々な情報が「見える化」することによって貴方の工場の実
 力はさらに向上します。
 
「モデル工場の見学もしていただけますので、ご希望の方はお申し込み下さい」
 
 詳しくは下記へお問い合わせください。
 共同受注グループ「コーディネイトびわ」
 (財)滋賀県産業支援プラザ(コーディネイトびわ担当)
 電話 077−511−1415 FAX 077−511−1418
 住所 滋賀県大津市打出浜2番1号 コラボしが21(2F)
 
  

 
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